番外-2

青い・・・・じゃなかった、「蒼い」騎士。

グラムレットと名乗ったお姉さんと俺はセルムラント皇国・謁見の間にいた

かたや「らしい」マントにキラキラの衣装、こっちはコスプレ気分のメイドだ。


「あなたが・・・バルダールの伝承にある「救世主」ですか・・?」


顔を上げればまた王様・・・じゃなくて、なんか年端もいかんような幼女・・・っと失敬。
見た目には「清楚で可憐」と肩書きが付きそうなお姫様がいた。


「はぁ、なんつーかそういう事みたいで。」
「ついこの間騎士を扱い始めたとは思えぬ腕前、間違いなくこの娘が機甲界を救う鍵かと」
「グラムレット、あなたがそう言えるのならば・・」
「はっ・・我らセルムラントもいよいよ立つべき時かと。」
「・・・・・・」


・・せめて、あの方もいてくだされば・・


どういう事か知らねーけど、今確かにそうつぶやいてた。

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・・セルムラント皇国・・

かつて世界が消える時、その直前までも中立を貫き通し国家を維持した超強力な和平派。
皇国とはなっているものの、国は一つになってるので肩書きだけ・・らしい

この世界でトップレベルの騎士団「近衛閃団」を有する、正義の味方っぽい所らしい
(バックボーンにはあんまり興味ないんだよね、俺)



・・その近衛閃団の一人が、グラムレット。



「何だ、私の顔に何か付いているか?」
「いや、綺麗だなーって思っただけ。」
「・・・・・・・・」


冗談は通じてるのか通じてないのか。(まぁ冗談抜きで綺麗だとは思うけど、絵的に)
ともかく、これがいつもやってるRPGならお気に入りベスト3に入っていつもパーティメンバーにしてそうな人種だな
なんつーか、村人ABやら有象無象の騎士共に比べて味がある

・・あれから数時間戦い続けてその最中、なんだかよくわからんけど認められたらしい。
だからこそこうして(いらん連中共々)セルムラントに迎えられている


「カナメ、何があろうと最後には元の世界に帰るのだぞ?」
「なんだヨ・・いきなり・・?」
「怪訝そうな顔をするな、この世界はあと数日で今度こそ消滅する、確実に・・というだけの話だ。」
「ふ~ん・・・・・・」



・・俺はグラムレットの胸を小突いて言った


「どんな状況でも覆すのが主人公(おれ)だ、世界の危機くらい任せとけよ」
「・・・・・・」


呆れた様子もなく、グラムレットは少しだけ笑った。

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「・・しかし、近衛閃団もたった一人になってたんスね・・」
「はぁ?他にもいっぱいいるじゃんか、何言ってんだよ雑魚A。」
「(もうそれでいいや)・・近衛閃団は最盛期で8名、「百色(ひゃくせき)」って特別な色の名を持った騎士で構成されてたんです。」
「ふんふん」
「他の騎士とは何もかもが桁違い、城にいた騎士総員だって閃団の一人にすら敵わないんですから・・」
「・・・へー・・・」


敵で言うなら幹部ボスクラスってトコか


「確かに」


・・年齢差もあるが、あのスリーサイズは桁違いだな。


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・・翌朝・・


「・・で、世界を救うには具体的に何すりゃいいんだ?ヒントくらいあるだろ?」
「バルダールには救世主の伝説、そしてセルムラントには「神殿」の伝説が残っている。」


(以下略)


「・・要するに「世界のどこかにある神殿で何かすれば神の力っぽいのが助けてくれる」って事か。」
「世界の端に何か関係があるそうだが・・そこまで詳しくはわからん」



天動説を軸にしたこの世界は端っこがあり、もしも足を踏み外せば「枯れた大地」とゆー何もない場所に落ちる
・・そんな危ないトコに神殿なんかあるのかよ、危なっかしーな・・



・・だが、どうやら「ゲームクリアの目標」が見つかったようだ。









・・つづく・・

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07

機甲界(このせかい)が動いた。
俺が来た事をきっかけに、確かに何かが動き出した

・・・特にそれっぽい事はしてねーんだけど(経験値稼ぎ程度に戦ったくらいだし)


「目標視認!・・大型騎士2、その他騎士9、砲撃兵200、法術兵50!」

・・いつの間にか勢力を広げていたアーデンバラム帝国があちこちで立ち塞がる

有無を言わさず斬り込む赤い騎士と青い騎士


「今度は何分で片をつける?」
「知れた事、秒刻みよッ!!」


反撃の間など与えない、600mの巨躯とは思えない程の速度で迫るグラムレット
片や50mの小型騎士とは思えない、大型恐竜のごとき突進をかけるディーバイン

・・レベル99のパーティの戦闘ってのは、やっぱこうなるんだろうな。
一網打尽を体現するように、秒刻みで帝国騎士がバラバラになっていった


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「・・世界の端、か。」

・・滝がある
唯一の山岳地帯・中央山脈から流れた川が大河になり、大河が滝となり、「枯れた大地」へと落下している。


「スケールでかいなー・・」
「私も初めて見る、圧巻だな。」


珍しく驚いた表情のグラムレット
・・どこかわくわくしたような、子どもっぽいような横顔だ。


「・・あとは神殿探して外周をぐるり回るだけだな。」
「あ?あ・・ああ。」


・・まさかホントに楽しくウキウキしながら見とれてたのか。


「さて・・雑魚Aとゆかいな仲間達、お前ら捜索隊と一緒にあっち方面に回れ(足手まといだから)」
「・・・・・言いたいことが顔に出ています、カナメ殿(泣)」

それでも従う辺り、自分の力の程は心得ているようだ。

セルムラント騎士団は7:3くらいに別れ、西と東へ進み始める

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・・数時間後・・

「・・滝のそばに街・・か。」
「妙ですね」
「どうしてだ、騎士A?」
「北地域にあるのは我がセルムラントと、先ほどのアーデンバラム領地・・ここには村も、まして街もないはずです」

・・さすが礼節をわきまえた騎士、一応上司扱いである俺の言葉遣いにはツッコミを入れない。
(何か言いたそうな顔は一瞬するが)


「そういえば俺が覚えた地図にもそんなもんはなかったなー・・書き漏れか、うんうん」
「それはあるまい・・これほど広い街ならば、支配欲の強いアーデンバラムが黙っていないはず・・」
「という事は・・・ここが目的地か、グラムレット?」



・・・腕組みをしたまま答えない


「陽炎の街・・迷い込んだ者は生きて帰ってこないという。」
「・・・・・・・」


昔から旅人の前に突如として現れる街の幽霊、入ったら二度と帰れない街(要約)
なんだそりゃ。


「実を言うとカナメ、私はセルムラント周辺から外に来たことがないのだ。」
「は?」
「基本不可侵のセルムラントでは防衛戦・国境付近での戦闘以外は行われない・・私は世界を見た事がない。」
「・・それでさっき、滝見て感動してたのな。」
「む・・」


ちょっと赤面した。
へー、照れたりなんだり結構表情変わるんじゃん


「くだらん事を言っている間ではないぞ・・ここが陽炎の街だと言うなら、我々は脱出の手段を探さなくてはならん」
「そうしないとどうなるんだよ?」
「それは・・」


突如砲弾が飛んできて、俺たちの後方にいた列の一角が吹き飛ばされた


「びっくりしたッ!?」
「・・「名も無き騎士団」と死ぬまで戦う事になる」


ディーバインを通じて俺の目に映る敵・・

・・その異形のカタマリの行進は、騎士団というより亡者の群れだ。
人の形をしたものもいれば、獣・・あるいはもっとグロテスクな形状のものもいる


「行くぞ、友よ!」
「行くか、友よ!」


なんだかんだですっかりハマったな、俺。

・・臆することなく、蒼と赤は黒の群れへと飛び込んでいった





・・つづく・・

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08

・・「名も無き騎士団」との戦いが続く
舞台は「陽炎の街」・・・名前的にゃ洒落にならん。



「なんでぇ、もう終わりかよ・・」


結構な数こそいたが、特に強い・・というものはない。
数をさばき終えてみれば、周囲には相応の数の死骸・・もとい、肉塊のようになった「何か」が散乱しているのみだった

・・まぁ現実にワケのわからん怪物をさばいたらこーなるわな、きっと


「いや・・次がくるようだ」


街・・の中から、ぞろぞろと湧いてくる「名も無き騎士団」
・・戦力をいくらかに分けて、隊列を組むように襲ってくる・・確かに騎士団とは言えなくもない


「フン!・・いくらでも相手してやらァ!!」
「私とて迷信に殉ずるほど愚かではない、明日の希望のためにも必ずこの地を抜けてみせるッ!!」


・・第二ラウンドが始まる



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・・そのころ・・



「アーデンバラム帝国、砲撃部隊沈黙・・」
「ようやくか・・」


小規模な戦闘を繰り返しながら進んでいた分隊の方に、動きがあった


「お・・・?」
「あれは、もしや・・」



かなり風化してはいるが、古い「神殿」のようだ。


「・・こりゃ、早いトコカナメ殿達に連絡を・・!」


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「何ッ・・・!?」


あらぬ方向からの攻撃・・「槍」の投擲。
グラムレット・・・騎士の方の左膝が砕けて崩れ落ちた


「ぁぐッ・・」
「お、おい!?」


普通の騎士や俺のディーバインとは違い、「百色(ひゃくせき)」という連中の騎士は「霊機融合」する事で動かすらしい
降りた時・・人に戻った時の搭乗者は無傷だが、痛いモンは痛いそうだ。


「気をとられるな!・・今の一撃、手練れぞ・・ッ!!」
「・・不意打ち上等!かかってこいやァ!!」


・・叫びながら、グラムレットの事が少しだけ心配になった。
アホか、ゲームキャラにそこまで情を移すなよ、俺・・!


背後からかましてくれたのは、大型の敵・・・騎士の姿をしていた。


「橙の・・・・・アーヴィッシュ・・・・!」
「?」
「・・・古い知り合いだ・・・だが、敵である事に変わりはない・・!」


倒れていたグラムレットは剣を軸に、逆の足で立ち上がった


「奴は私が相手をする、貴公は騎士団と協力して敵を・・」
「バカ、あっちは騎士団で十分!・・その状態であいつと一騎打ちしようってのか!?」
「・・・ああッ!!」

叫んで飛びかかるグラムレット
アーヴィッシュは先ほどその左足を砕いた槍・・巨大な得物を、振り下ろした

・・ピリっ・・とした、言葉には表現できそうもない緊迫感を感じる

割って入ったら俺・・ディーバインなど、蹴散らされそうな「本物」の気迫。


・・ゲームじゃ、ないんだ。


俺は根っこの態度を改めると、無限に湧いてくる「名も無き騎士団」の方を睨んだ


「やるぜ・・・!」


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「貴公はまだ、このような無益な戦いを続ける気か・・」


・・アーヴィッシュは答えない


グラムレットは動く右足を踏ん張り、組み付く形でアーヴィッシュを捉える


「まだ・・異形の者に操られているのか!」


・・答える代わりにアーヴィッシュの姿が変わる・・


「っ!」



装甲の移動が目くらましのようになり、その一瞬に足払いがグラムレットを地に倒す



「う・・ぐッ・・・」



一瞬・・傷ついた騎士に対しては、それだけあれば十分決着が付いた。
・・胸に突き立てられた槍が、グラムレットの身体を突き抜ける



「く!・・・・・が・・はぁ・・・・・・ッ!?」


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俺は戦いながら視界の端で、蒼い騎士が蹂躙され、その頭部が貫かれるのを見た


「グラムレット!・・・・・死・・・んだ・・のか?」
「・・否!」



上空に紅いマントが、翻った


「っ!」


600m、黄色がかった白・・銀のように光輝く「白金」の騎士・・!
アーヴィッシュを押しのけるようにして、グラムレットを突き刺さった槍ごと助け出した


「セルムラント近衛閃団長・白金のフォルゲイン!」



真打ち登場・・とでもいうようなタイミングで、最強の騎士は現れた。





・・つづく・・

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09

「近衛閃団・・・「長」・・?」


グラムレット・・・の残骸を地に横たえると、白金の騎士は剣を抜いた



「我、主たるセルムラント皇姫・リューゼ=セラン=セイリアムの御名に誓い、機甲界のため再び剣をとる!」
「・・・・・・・・」


フォルゲインは剣を天に掲げて叫んだ。
・・・この格好良さ(基準)、どうやら近衛閃団のリーダーってのは本当みたいだな・・・



「いざ、参る!」



アーヴィッシュとフォルゲインが剣を交え、戦い始めた
・・火花が散り、マントが翻り・・何よりその鋭い眼光が光る


・・って、見とれてる場合じゃない
俺はその決闘に背を向け、再び「名も無き騎士団」に斬りかかった


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「はァッ!!」


剣は切っ先を輝かせ、閃き、空を滑る


白金の騎士フォルゲインは橙の騎士アーヴィッシュ・・その可変する装甲を切り裂き、貫いた
・・下からは紅い「肉の塊」・・・とでも表現すべきだろう、「グロテスクな生物の何か」が現れる


「またしても異形の姿・・・貴公が作り出したか、この空間・・!」



アーヴィッシュは答えない



「自らの意志すら失ったか、異形の・・・・・いや、橙のアーヴィッシュ!!」
「白金の騎士よ、その名はかの者がすでに捨てた名・・」


フォルゲインの背後・・そこに、黒い騎士が立っていた
いつの間にか現れた彼はなおも続ける


「かつて邪悪に呪われし騎士は貴公らに救われたのだ、そこにいるのは・・・」
「・・・・!」
「橙を呪いし「邪悪」そのもの・・ッ!」



・・「橙のアーヴィッシュ」と呼ばれていた騎士が、爆発した
いや・・・膨張し、変化し始めた内部の「肉塊」が表面の装甲を砕き、消し飛ばしたのだ

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「・・・ボスが真の姿で登場か?」


・・ヤバイねー、なんか気持ち悪ィよ・・アレ・・・



「あんなの倒せんのかよ・・?」
「・・・・・・考えるまでもない!」

フォルゲインよりやや小さい・・黒騎士は飛び、「肉塊」を真っ向から切り崩した


「今再び共に地を駆けよう、若き白金の騎士よ!」
「・・心得た、我が志の友よ!」


これが、本物の騎士か?
・・上っ面の台詞だけじゃない、こいつら二人は間違いなく何かを守るために命を賭ける・・
そういう「強い」奴らだと、俺にもわかった

・・何より


「我ら、勝るに非ず!」
「我ら、守るに在り!」



駆け抜ける一瞬で・・不意打ちとはいえグラムレットを追い詰めたバケモノを・・文字通り「肉塊」と化する強さを見れば。


・・「名も無き騎士団」は街共々霧のように消え失せ、海岸線の地・・元の地に、俺たちは戻った。






・・つづく・・

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10

「ン・・・」


グラムレットが意識を取り戻す・・・彼女の目には盆地の中央にある「神殿」と呼ぶに相応しい建物が見えた。

そして、青空の下に並ぶセルムラント騎士団の隊列と・・・


「・・白金、深緑・・・・黒照・・・」


ディーバインという異端の赤い騎士と自分の青い騎士・・そして見覚えのある三つの巨大な騎士の姿だった。

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「お・・大丈夫か、グラムレット?」
「ああ、立ちくらみ程度だ・・支障はない。」
「よかったねぇ、姉さん♪」
「・・何よりだ」


俺の両脇にいる二人・・片方は緑髪の口の軽そうな姉ちゃんで、もう片方は金髪ロン毛でむっつり顔のかわいくない子供。
グラムレットと「いつものように」会話している二人は・・こんなんでも近衛閃団のメンバーらしい

・・・正直、あんだけかっこよかった白金の騎士・フォルゲインの中身がおこちゃまだった時はがっかりした
もう片方の姉ちゃんは「深緑のリヴァストス」っつー人で、ボロボロになってた騎士を回復した「僧正」・・だそうで。

グラムレットも死んだかと思ったら普通に生きてるし、流石にレベルの高い連中は違うんだなーと思った。


・・・・・・・で、さっきのフォルゲインの台詞じゃないけど、本音で安心したという事実もまたある。



「!・・こうしている暇はない、神殿に向かわねば!」
「学者が行っている、神殿の調査はじき終わるぞ。」
「明日とか何とか、すぐに世界が終わるワケじゃないんだしさー、ゆっくりしなよ姉さん。」


グラムレットは、少し困ったような顔を・・次に「何を悠長な!」とでも怒鳴りそうな顔になったが


「・・そうだな、今は私一人ではない・・」


結局、笑った。


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黒い騎士・・・「黒照」と呼ばれた百色の搭乗者は、これまた顔まで覆う黒い鎧を着込んだ黒衣の騎士だった
背丈にして190はあろうか、これ以上ないほど頼りがいのある存在感・・
フルフェイスの兜で表情はうかがい知れないが、心中は何か複雑なようだ。

「アグル」
「フォルゲイン殿。」


かつて皇女より受けた騎士としての名・・それを捨てた彼の今の名は、本名である。


「・・貴公らには世話になった、再度礼を言わせていただく。」
「気にする事はない・・先ほどの戦で、貴公がかつての邪悪とは別物という事くらいわかる・・・そして」


フォルゲインは黒騎士・・アグルの眼前に首飾りを差し出す
それは皇族がセルムラント代々の騎士団長に授ける証、即ち皇女リューゼの名を借り、権力を行使する・・という事だ。


「今一度、貴公をセルムラント騎士団に迎え入れたいと思っている」
「・・!」


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神殿の探索が終了した。


結論としては・・


「ここは神殿ではない」
「・・じゃあ、どこなんだヨ・・・」


そうくるのを待っていたように、リヴァストスが神殿・・・だと思っていた建物の天井を指さした
・・赤い、小さな光・・
太陽光を吸い込むようにして、ただ一方向にむかって細い光が伸びていた


「この光が指し示す先に本当の神殿があるのサ」
「・・ふむ」
「だが・・・・・」



騎士団一同が光の方向へ歩くと、その先には崖がある
・・改めて下をのぞき込むまでもなく、断崖絶壁だ。


「下か?」
「真っ直ぐ・・だね、お嬢ちゃん。」
「無茶言うな、この世界は天動説だって言っただろォが?・・・つまりこの先にゃ何もないんだろ?」
「心配ご無用ですぞ!私の騎士は空が飛べるという特性があるのです!向こうへ飛んでいけば・・!」


・・弾避けAが後ろで何か言ってる。
・・ああ、いたんだっけ、こいつ?


「飛ぶ・・か・・」
「そうです!空を飛び自在に滑空するこの騎士ならば、神殿へたどり着けましょう!」
「ふぅん・・」



あんまり目立ってない奴が何を今更偉そうに・・
・・とか思っていたら


「あら?」


・・「世界の端」の向こうへ飛びだした瞬間、空飛ぶ騎士は「がくん」とバランスを失った
あとは、言うまでもなく・・







全員そろって、弾避けAが落ちた方向をただただ見つめていた。



・・つづく・・



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